運転者に酒類を提供したり、酒酔い運転者や酒気帯び運転者の自動車にその事情を知りながら同乗させてもらう行為は、犯罪に当たります。つまり、加害者である運転者にお酒を飲ませて運転をさせるという行為は、犯罪にも該当する違法な行為です。
このような行為は当然、民事上も違法な行為であり、その行為と因果関係のある損害については、不法行為に基づく損害賠償責任が発生します。
判例で、知人に強く勧めて大量に飲酒させた上で、被害者の自動車を無断でその知人に運転させて、同乗していた人について、被害者の自動車が事故によって壊れた損害を賠償する責任があるかが問題になったケースがあります。このケースでは、飲酒させて同乗していた人に、損害賠償の義務を認めています。
ご質問のケースでは、加害者である運転者にお酒を飲ませて運転させた人に対しても、その行為と因果関係のある損害の賠償を請求することができます。
もっとも、このように運転者本人でなく飲酒運転に荷担した人については、使える保険がない場合が多いと考えられます。したがって、その人に損害賠償請求しても、保険会社からの支払いを受けることは難しい場合があると考えられます。