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加害者が犯罪行為をした場合

交通事故に遭った際に、稀にですが、加害者が犯罪行為を行ってしまう場合があります。 今回はそれぞれ4パターンの場合について解説いたします。

①加害者が運転していた車が盗難車だった場合

盗難車

その自動車を運転していた加害者に損害賠償を請求することができますが、その他にその自動車の所有者に対しても損害賠償を請求できる場合があります。

その自動車を運転していた加害者本人は、不法行為責任(民法709条)を負うので、加害者に対しては当然損害賠償を請求することができます。

もっとも、加害者に資力や使える保険がない場合等には、他にも損害賠償請求できる相手がいないかが気になると思われます。この点、ご質問のケースでは、その車両の所有者に対して、具体的事情によっては、損害賠償を請求できる場合があります。

 

つまり、自動車の所有者は、具体的事情によっては、運行供用者責任によって、人身被害による損害について被害者に賠償する責任を負う場合があります。

【参考】運行供用者責任とは何ですか?

 

自動車の所有者が「運行供用者」に当たるかどうかは、ご質問のような自動車の盗難のケースでは、その自動車の運行に対する利益と支配があるかどうかを、具体的な事情から判断して決められることになります。この点、所有者は、盗難された自動車の運行については、支配と利益を失っているという理由で、運行供用者に当たらないとされるのが通常です。

もっとも、所有者がその自動車を盗まれたことについて落ち度があった場合には、運行供用者とされることがあります。例えば、キーを付けたままその自動車を路上に長時間放置していたところ盗難に遭ったようなケースでは、所有者の落ち度があるとして、運行供用者に当たるとされる可能性があります。

盗難車で交通事故が起きた場合

そして、運行供用者に当たるとされた人は、免責事由を立証できない限り、人身被害によって生じた損害を賠償する責任を負うことになります。

以上のように、運転者だけでなく、自動車の所有者に対しても損害賠償を請求できる場合があります。

【参考】交通事故の加害者に、かかった弁護士費用も請求できる?

②ひき逃げの被害に遭った場合

道路

交通事故の中には、被害者が事故により怪我を負い、加害者が事故後逃走してしまうという、ひき逃げの事案もあります。そのような場合、警察による捜査等によっても加害者がどうしても判明しない場合は、加害者本人に損害賠償請求することができなくなってしまいます。

交通事故で人身被害に遭った方が損害賠償を受けられるようにするために自賠責保険があるのですが、自賠責保険に損害賠償を請求するためには加害者が判明している必要があります。そのため、ご質問のようなひき逃げの人身事故のケースでは、自賠責保険会社から損害賠償を受けることもできません。

【参考】交通事故の被害者が自賠責保険へ損害賠償請求するための必要書類は?

【参考】任意保険と自賠責保険にはどのような違いがあるのでしょうか?

そこで、このような場合に被害の補償を受けることができる制度として、政府保障事業があります。

この制度は、人身事故について、加害者による賠償や健康保険・労災保険等の他の社会保険の給付を受けてもなお残った損害について、法定の限度額の範囲で国が填補して被害者に対して支払を行うというものです。

ご質問のように加害者が分からないひき逃げのケースは、政府保障事業の対象になります。この制度によって補償される損害の内容は、自賠責保険の場合とほぼ同じです。保障の対象になる損害は、治療関係費・休業損害傷害慰謝料、後遺障害が残った事案については逸失利益後遺障害慰謝料、死亡事案については逸失利益死亡慰謝料・葬儀費用などです。これらの損害について、法定の限度額の範囲内で支払いを受けることができます。

もっとも、被害者が健康保険・労災保険等の他の社会保険による給付を受けることができる場合、その分が支払額から控除される点など、自賠責保険の補償内容とは異なる点もいくつかあります。

なお、政府保障事業は、加害者が不明なひき逃げ事故の他にも、盗難車による事故の場合や、自賠責保険が付けられていない自動車による事故の場合にも利用できる場合があります。

政府保障事業については、消滅時効の定めがあるなど注意すべき点がありますので、この制度によって被害の保障を受けることをお考えの方は、弁護士にご相談下さい。

【参考】個人事業主が交通事故に遭った場合の後遺障害逸失利益はどのように計算する?

【参考】事故前は独身であった女性につき主婦の逸失利益を認めさせ、依頼前の約2倍に増額した事例

③加害者が逃亡した場合

逃走する犯人

交通事故の被害に遭った場合、加害者に対して損害賠償を求めることができます。

しかし、加害者がどこの誰なのかを特定することが出来なければ、損害賠償を求めるべき相手も分からないということになりますから、加害者に対して損害賠償を求めることは事実上不可能ということになります。

したがって、加害者に損害賠償を求めることが出来ないという意味では、泣き寝入りをせざるを得ないという結果になります。

もっとも、加害者が不明の場合は、交通事故に遭ったことによる損害について全く補償を受けることができないというわけではありません。

被害者の方が契約している自動車保険の中に、人身傷害保険や無保険車傷害保険が含まれている場合は、保険契約の内容に従って一定の範囲で補償を受けられる場合があります。

【参考】人身傷害保険の請求において、右踵骨骨折、右足関節外果骨折で、約460万円増額を獲得した事例

また、加害者不明等の理由で自賠責保険や自賠責共済から保険金の支払いを受けることができない場合につき、政府による被害者に対する補償事業というものがあり、自賠責保険と同様の支払基準(ただし一部取り扱いが異なる点があります)に従って、支払いを受けることができるとされています。

ただし、これらにより補償を受けられる場合でも、支払いを受けることができる額は、本来であれば加害者に賠償を求めることができる損害額に比べると低額にとどまる場合が多く、被害者に対する十分な補償となっていないのが現状のようです。

このような現状でもできるだけ保証を受けるべきですので、弁護士に相談することをおすすめいたします。

【参考】弁護士費用特約のメリットや注意点を弁護士が解説します

④飲酒運転の場合

飲酒運転

加害者である運転者にお酒を飲ませた上で運転させた人に対しても、損害賠償請求できる可能性があります。

運転者に酒類を提供したり、酒酔い運転者や酒気帯び運転者の自動車にその事情を知りながら同乗させてもらう行為は、犯罪に当たります。つまり、加害者である運転者にお酒を飲ませて運転をさせるという行為は、犯罪にも該当する違法な行為です。

このような行為は当然、民事上も違法な行為であり、その行為と因果関係のある損害については、不法行為に基づく損害賠償責任が発生します。

判例で、知人に強く勧めて大量に飲酒させた上で、被害者の自動車を無断でその知人に運転させて、同乗していた人について、被害者の自動車が事故によって壊れた損害を賠償する責任があるかが問題になったケースがあります。このケースでは、飲酒させて同乗していた人に、損害賠償の義務を認めています。

ご質問のケースでは、加害者である運転者にお酒を飲ませて運転させた人に対しても、その行為と因果関係のある損害の賠償を請求することができます。

もっとも、このように運転者本人でなく飲酒運転に加担した人については、使える保険がない場合が多いと考えられます。したがって、その人に損害賠償請求しても、保険会社からの支払いを受けることは難しい場合があると考えられます。

【参考】過失割合(相殺)に納得できない

【参考】損害賠償の責任について教えてください

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