脊髄損傷とは―原因と症状―
脊髄損傷とは―原因と症状―

脊髄損傷とは―原因と症状―

脊髄損傷とは、人間の主要な運動神経、知覚神経を司る神経である中枢神経系が損傷することを言います。
頸髄損傷、胸髄損傷、腰髄損傷、中心性脊髄損傷といった傷病名がつけられることもありますが、これらはいずれも脊髄損傷にあたります。
傷ついた神経は修復できないため、脊髄損傷は後遺障害を発症します。
体に大きな衝撃が加わって、背骨の中にある中枢神経の束である脊髄が傷つくことが原因となるのですが、
日本では、脊髄損傷の4割は交通事故が原因で、次に多いのが高所からの落下によるものです。
背骨(脊柱)は、椎骨という小さな骨が積み重なってできているので、人間は前に屈んだり後ろに反りかえったりできるのですが、椎骨は、背骨を動かすことの他に、脊髄を外部からの衝撃から守る役割も果たしています。
しかし、神経は柔らかいので、外部から強い衝撃を受けると、椎骨が守り切れずに脊髄が傷ついてしまいます。
いったん傷ついた神経は、現代医学を持ってしても、修復することがほとんど不可能です。
(最新医学では、神経の修復についての研究が勧められていて、まったく不可能とは言えない領域まで来つつあります)
脊髄損傷は、傷めた箇所によって症状が異なり、運動機能、感覚機能、自律神経系、排泄機能などに障害が起き、脊髄が完全に断裂と、分断された部分から下は、末梢神経へ命令が届かなくなるので完全に麻痺しますが、脊髄の断裂が不完全な場合は、一部の機能が残ります。
脊髄損傷を発症しているかどうかは、CTやMRIなどの画像診断や神経学検査、電気生理学的検査などにより診断します。

後遺障害の等級認定について

脊髄損傷の場合、麻痺など症状の程度などに応じて、1級1号、2級1号、3級3号、5級2号、7級4号、9級10号、12級13号が認定されます。
脊髄損傷の後遺障害等級は、下記のとおり、どの場所にどのような麻痺が生じるかによって決まります。

認定されうる後遺障害等級

1級1号

せき髄症状のため、生命維持に必要な身のまわりの処理の動作について、常に他人の介護を要するもの

  1. 高度の四肢麻痺が認められるもの
  2. 高度の対麻痺が認められるもの
  3. 中等度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの
  4. 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について常時介護を要するもの

2級1号

せき髄症状のため、生命維持に必要な身の回りの処理の動作について随時介護を要するもの

  1. 中程度の四肢麻痺が認められるもの
  2. 軽度の四肢麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの
  3. 中等度の対麻痺であって、食事・入浴・用便・更衣等について随時介護を要するもの

3級3号

生命維持に必要な身の回りの処理の動作は可能であるが、せき髄症状のために労務に服することができないもの

  1. 軽度の四肢麻痺が認められるもの
  2. 中等度の対麻痺が認められるもの

5級2号

せき髄症状のため、きわめて軽易な労務のほかに服することができないもの

  1. 軽度の対麻痺が認められるもの
  2. 1下肢の高度の単麻痺が認められるもの

7級4号

せき髄症状のため、軽易な労務以外には服することができないもの

  1. 1下肢の中等度の単麻痺が認められるもの

9級10号

通常の労務に服することができるが、せき髄症状のため、就労可能な職種の範囲が相当な程度に制限されるもの

  1. 1下肢の軽度の単麻痺が認められるもの

12級13号

通常の労務に服することはできるが、せき髄症状のため、多少の障害を残すもの

  1. 運動性、支持性、巧緻性及び速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺を残すもの
  2. 運動障害は認められないものの、広範囲にわたる感覚障害が認められるもの

脊髄損傷の等級認定のポイント

画像を撮影する

脊髄損傷が生じていることを立証するためにはX-p画像、MRI画像、CT画像を撮影して必要な画像所見を得なければなりません。
受傷後の急性期でなければ写らないMRI画像所見もあるので、手遅れになる前に画像を撮影するよう注意が必要です。

症状を記録化する

当然のことながら、脊髄損傷に由来する神経症状が生じていることもきちんと記録化しなければなりません。
そのためには、有意な検査をしてもらう必要があります。

例えば、膝などをゴムハンマーで叩き、身体の反射をみる病的反射の検査や筋力がどの程度低下しているかをみる徒手筋力テスト等です。

また、脊髄損傷の場合、様々な症状が出ることから、保険会社が「脊髄損傷の症状に合わない」と主張してくることが多々ありますので、ただ検査をすればよいというわけではなく、各人に応じた所見をもらう必要があります。

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