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肩の腱板断裂とは
肩には「腱板」という組織があります。これは、肩関節の近くにある①棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋という4つの筋肉の腱(筋肉と骨をつないでいる軟部組織)のことです。
肩の腱板断裂(腱板損傷)は、これら4つの腱の一部や全部が断裂する症状ですが、棘上筋の腱が断裂するパターンが圧倒的に多いです。
肩の腱板断裂になると、自力で腕を上げられなくなるのが典型的な症状です。
腱板断裂と腱板損傷の違い
「腱板断裂」のほか、「腱板損傷」といった傷病名で診断される場合もあります。
肩の腱板が断裂(損傷)するという意味では2つの傷病名は同義であると考えて良いでしょう。
肩の腱板断裂が起こりやすい交通事故
交通事故で肩の腱板断裂が特に起こりやすいのは、自転車やバイクを運転中に事故に遭い、肩を道路などに強く打ち付けたケースです。
肩の腱板断裂の治療方法
肩の断裂が部分的なケースでは、投薬やステロイド・ヒアルロン酸の注入、リハビリや筋力強化などを行い、保存療法を実施するケースが多数です。
一方完全断裂したケースなど、保存療法によっては痛みや可動域制限を改善しにくいケースでは外科手術を行う可能性もあります。
肩の腱板断裂による後遺障害
肩の腱板断裂となった場合、可動域制限または神経症状により、後遺障害認定を受けられる可能性があります。
肩関節の可動域制限
まず、肩関節を動かしづらくなり、可動域制限が残るケースが多いです。その場合、制限の程度によって10級10号または第12級6号の後遺障害が認定される可能性があります。
10級10号となるのは、可動域が健側と比べて2分の1以下になったケース、12級6号となるのは可動域が健側と比べて4分の3以下になったケースです。
神経症状
肩腱板を断裂すると、肩に痛みなどの神経症状が残ってしまうケースがあります。
その場合、12級13号または14級9号の後遺障害が認定される可能性があります。
12級13号になるのは、MRIなどによって症状を医学的に証明できるケースであり、14級9号となるのは、医学的には症状を証明できないが、自覚症状に沿った症状が実際にあると医学的に推定できるケースです。
肩の腱板損傷の後遺障害認定では、MRIなどの画像による所見が非常に重視されます。
また受傷直後に撮影せず、しばらく経ってからMRIなどを実施した場合、交通事故と腱板損傷との因果関係を問題にされてしまう事例もみられます。
肩の腱板断裂となった場合、弁護士までご相談下さい
ご自身や周りの方が交通事故に遭い肩腱板を断裂してしまったとき、適切な後遺障害等級の認定を受け、正当な賠償を受けるべきです。群馬・高崎で交通事故に精通した弁護士がサポートいたしますので、是非とも一度、ご相談ください。