学生ですが、交通事故で怪我をして、その治療のために授業に出られなかったことが原因で留年することになってしまいました。留年したことによる損害を請求できますか?

交通事故の被害者が学生である場合には、治療のための入院期間が長引くと、例えば出席日数が足りないことから留年してしまうことも考えられます。

このような場合、留年したことによる損害としては、いくつかのものが考えられます。

まず、留年することで卒業が遅れたために、学費や家賃等の出費が強いられてしまうという場合が考えられます。学費や家賃等の損害については、事故と因果関係があると認められれば、つまり事故によってその損害が生じたと認められれば、請求することが可能です。

もっとも、事故による出費と認められた場合でも、常識に照らして相当と言えるような範囲に限って請求が認められることになります。

そして、留年した分、就職の時期も遅れるのが通常ですので、就職の遅れによって本来ならば得られたはずの収入を失ったと言える場合もあります。そのような場合は、休業損害又は逸失利益として、働いて得られるはずだった利益を請求することが考えられます。この場合も当然、事故と因果関係があると認められることが必要です。

また、事故によって留年せざるを得なくなったことで、慰謝料を請求することも考えられます。慰謝料とは、苦痛や悲しみといった精神的な損害に対する賠償です。

もっとも、交通事故の場合の慰謝料の金額については、ある程度画一的な基準があり、交通事故の被害者が一般的に受けるはずの苦痛や悲しみは、一般的な基準の金額に全て含まれていると考えられています。そのため、一般的な場合を上回る苦痛や悲しみがあると言えるような特別な事情があると言えない限り、慰謝料の上乗せは認められません。

このように簡単に認められるわけではありませんが、留年せざるを得なくなったことによって慰謝料を通常の基準よりも多く請求することができる場合もあります。