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子どもが交通事故にあったときの慰謝料相場

ランドセルを背負った小学生「子どもが交通事故に遭った場合の慰謝料は大人と異なるのでしょうか?」
こういった疑問を持つ方が少なくありません。

基本的には子どもであっても大人であっても「慰謝料」の金額は変わりません。
ただ子どもの賠償金算定方法には大人と異なる部分もあります。

今回は子どもが交通事故に遭った場合の慰謝料相場を解説します。
万が一の際に参考にしていただけると幸いです。

 

慰謝料に子どもと大人の違いは基本的にない

子どもと大人子どもが交通事故でけがをしたり死亡したりすると、相手へ慰謝料を請求できます。
慰謝料とは「被害者が受けた精神的苦痛」に対する賠償金です。

交通事故でけがをすると人は大きな恐怖を感じたり痛みに苦しんだりするでしょう。死亡した場合にも本人や遺族が大変な精神的苦痛を受けます。そこでその苦しみをやわらげるため、慰謝料が払われなければなりません。

 

また事故による恐怖や痛みなどの苦痛は、子どもでも大人でも同じように感じるものです。そこで交通事故の慰謝料は、基本的に子どもでも大人でも変わりません。

収入のあるなしや金額、年齢、性別などにより、慰謝料の金額は影響を受けないと考えましょう。

子どもが請求できる3種類の慰謝料

子どもが交通事故に遭ったときに請求できる可能性のある慰謝料には、以下の3種類があります。

傷害慰謝料(入通院慰謝料)

傷害慰謝料は、交通事故で怪我をしたときに請求できる慰謝料です。

入通院した期間が長くなるほど慰謝料額が上がり、入通院期間に応じて計算されるので「入通院慰謝料」ともいわれます。

■ 傷害慰謝料について詳しく

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、被害者に後遺症が残って自賠責で後遺障害認定を受けられたときに支払われる慰謝料です。

交通事故のせいで後遺症が残ったら、人は大きな精神的苦痛を受けるので、傷害慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求できます。

死亡慰謝料

死亡慰謝料は、被害者が死亡してしまったときに遺族が請求できる慰謝料です。

被害者ご本人の分だけではなく、近親者は遺族固有の慰謝料も請求できます。

子どもがケガをしたときの傷害慰謝料の相場

怪我をしたクマ子どもが交通事故で骨折やねんざなどのけがをした場合、傷害慰謝料はどのくらいになるのでしょうか?

実は交通事故の慰謝料計算基準には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3種類があり、どの基準を適用するかで金額が変わってきます。

① 自賠責基準

自賠責保険が保険金を計算する際に適用する基準です。金額的には3つの中でもっとも低額になります。

② 任意保険基準

任意保険会社が保険金を計算するときに適用する基準です。

各社によって異なり非公開とされるのが一般的ですので、一律ではありません。ただ一定の相場や傾向はあります。

③ 弁護士基準

弁護士や裁判所が適用する法的な基準です。

正当な根拠があり、金額的にももっとも高額となります。被害者が賠償金を計算する際には、弁護士基準を適用すべきといえるでしょう。

 

■ 損害賠償の3基準について弁護士が解説 ―こんなにちがう!賠償金-

弁護士基準による傷害慰謝料の相場

弁護士基準を適用すると、具体的に傷害慰謝料の金額がどの程度となるのか、みてみましょう。

 

弁護士基準では、『軽傷、自覚症状しかないむちうちのケース』と「それ以外の通常程度のケガのケース」で傷害慰謝料の基準が異なります。

軽傷、自覚症状しかないむちうちのケース(別表2)

軽傷とは打ち身やねんざ、むちうちなどの軽いけがです。

自覚症状とは、「痛い」「しびれる」など患者が感じる症状をいいます。自覚症状しかない場合とは、患者の自覚する症状しかなく「MRI」や「レントゲン」などに何らの異常も映らない場合です。むちうちで自覚症状しかない場合、傷害慰謝料の金額は低めになります。

 

軽傷、自覚症状しかないむちうちの場合の傷害慰謝料相場は以下の表のとおりです。

 

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月
通院 35 66 92 116 135 152 165 176 186 195
1ヶ月 19 52 83 106 128 145 160 171 182 190 199
2ヶ月 36 69 97 118 138 153 166 177 186 194 201
3ヶ月 53 83 109 128 146 159 172 181 190 196 202
4ヶ月 67 955 119 136 152 165 176 185 192 197 203
5ヶ月 79 105 127 142 158 169 180 187 193 198 204
6ヶ月 89 113 133 148 162 173 182 188 194 199 205
7ヶ月 97 119 139 152 166 175 183 189 195 200 206
8ヶ月 103 125 143 156 168 176 184 190 196 201 207
9ヶ月 109 129 147 158 169 177 185 191 197 202 208
10ヶ月 113 133 149 159 170 178 186 192 198 203 209

 

入院期間と通院期間のぶつかるところの数字が具体的な慰謝料の相場の金額となります。

たとえば通院5か月なら79万円、入院2か月・通院3ヶ月なら109万円が相場です。

 

また、1ヶ月を30日として、端数が出る場合は次の基準との差額を日割りして日数をかけて計算します。

 

例:通院期間が45日だった場合

19万円+(36万円ー19万円)÷30日×15日=27万5000円

 

通常程度のけがのケース

通常程度のけがの場合の傷害慰謝料の相場は、以下のとおりです。

 

入院 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月 6ヶ月 7ヶ月 8ヶ月 9ヶ月 10ヶ月
通院 53 101 145 184 217 244 266 284 297 306
1ヶ月 28 77 122 162 199 228 252 274 291 303 311
2ヶ月 52 98 139 177 210 236 260 281 297 308 315
3ヶ月 73 115 154 188 218 244 267 287 302 312 319
4ヶ月 90 130 165 196 226 251 273 292 306 326 323
5ヶ月 105 141 173 204 233 257 278 296 310 320 325
6ヶ月 116 149 181 211 239 262 282 300 314 322 327
7ヶ月 124 157 188 217 244 266 286 301 316 324 329
8ヶ月 132 164 194 222 248 270 290 306 318 326 331
9ヶ月 139 170 199 226 252 274 292 308 320 328 333
10ヶ月 145 175 203 230 256 276 294 310 322 330 335

通常程度のけがの場合、軽傷や自覚症状しかないむちうちのケースより慰謝料額が上がります。

たとえば通院5か月の場合に105万円程度となりますし、入院2か月・通院3ヶ月なら154万円程度が相場の金額です。

また、こちらのケースでも1ヶ月を30日として、端数が出る場合は次の基準との差額を日割りし日数をかけて計算します。

傷害慰謝料が減額される場合とは

交通事故でケガをした場合でも、必ず上記の表のとおりの慰謝料が支払われるとは限りません。さまざまな事情により減額される可能性があります。

 

よくあるのは「治療が長期間に及んで通院日数が減り、積極的な治療が行われない場合」です。

たとえばむちうちで治療期間が10か月、1年以上となってくると、治療とはいっても湿布を処方するだけなどになって通院日数も減ってくるケースが多々あります。

そのような場合、通院期間の計算方法が変わって慰謝料額が下がります。

 

軽傷、自覚症状しかないむちうちの場合

通院期間と、実通院日数×3を比べて少ない方で計算されることがあります。

 

通常程度の怪我の場合

通院期間と、実通院日数×3.5を比べて少ない方で計算されることがあります。

 

自賠責基準の場合、上記よりもさらにシビアです。通院日数が少なくなると一気に傷害慰謝料額が減額されてしまいます。

交通事故後、傷害慰謝料額を減額されたくなければ、医師が治療を必要と認める限りは定期的に通院を続けましょう。

子どもが後遺症を負った時の後遺障害慰謝料

骨折した子ども交通事故に遭うと、子どもにさまざまな後遺症が残る可能性があります。
たとえば痛みやしびれなどの神経症状、まひ、関節の可動域制限、視力や聴力の低下、内臓機能の低下などが起こるケースも少なくありません。

子どもに後遺症が残って自賠責保険で「後遺障害等級認定」を受けられたら、認定された等級に応じて後遺障害慰謝料が払われます。

等級とは、交通事故の後遺障害につけるランクのようなもので、重症な場合に等級が上がります。

1級がもっとも重く14級がもっとも軽いものとなっています。

 

認定された等級ごとの後遺障害慰謝料を表でみてみましょう。

【後遺障害等級表】
等級 弁護士・裁判基準(赤本) 自賠責基準
1級 2800万円 1150万円(要介護1650万円)
2級 2370万円 998万円(要介護1203万円)
3級 1990万円 861万円
4級 1670万円 737万円
5級 1400万円 618万円
6級 1180万円 512万円
7級 1000万円 419万円
8級 830万円 331万円
9級 690万円 249万円
10級 550万円 190万円
11級 420万円 136万円
12級 290万円 94万円
13級 180万円 57万円
14級 110万円 32万円

上記では参考までに自賠責基準による金額も載せました。任意保険基準も自賠責基準に近い金額となります。

 

弁護士基準を適用すると、後遺障害慰謝料は他の基準の2~3倍程度となります。

交通事故でお子様に後遺障害が残ったら、必ず弁護士基準で慰謝料額を算定すべきといえるでしょう。

歯の喪失の後遺障害について

交通事故で「歯」を失った場合にも後遺障害認定を受けられる可能性があります。

歯の喪失による後遺障害の等級は、失われた歯の本数に応じて決まり、失ったり治療を行ったりした歯が多ければ認定等級が上がる仕組みです。

 

後遺障害認定における「歯」とは、永久歯のことを指しており、乳歯については原則として後遺障害認定の対象にはなりません。そのため、交通事故により子供の乳歯が失われた場合でも、原則として後遺障害の認定はされません。

ただし、乳歯の欠損により永久歯が生えないことが証明されれば、等級認定の対象になり得ます。

このように、子どもと大人との間に後遺障害認定の考え方が違ってくる点なので、押さえておきましょう。

親族にも固有の慰謝料が認められやすい

法律上、人が不法行為によって死亡すると親や子ども、配偶者には固有の慰謝料請求権が発生します。

親族が死亡したら人は大きな精神的苦痛を受けるからです。

 

ただ交通事故で子どもに重大な後遺症が残ってしまったら、死亡しなくても親や祖父母、兄弟姉妹なども大きな精神的苦痛を受けるでしょう。

子どもが植物状態になったり麻痺状態になって日常生活を送れなくなったりして「重大な後遺症」が残り、死にも比肩するような精神的苦痛を受けたと評価できる場合には、親族に固有の慰謝料が認められるケースがよくあります。

実際の認定は、具体的な症状の程度や家族の介護の負担の程度等、個別の事情を考慮した上で行われますので、親族固有の慰謝料が認められるケースを一概に言うことはできません。

 

もっとも、一般的には、後遺障害等級の1級や2級など、より上位の等級ほど認められやすい傾向にあると思われます。

また、金額については特に基準があるわけではなく、数十万円から数百万円など様々であり、個々の事情に応じて判断されることになります。

 

保険会社が親族固有の慰謝料を認めない場合には、1度弁護士へ相談してから示談に応じるか決めるのがよいでしょう。

 

■ 子どもの顔に傷跡が…親が慰謝料を請求できる?

 

子どもが死亡したときの慰謝料

仏花もしも交通事故で子どもが死亡してしまったら、遺族には死亡慰謝料を請求する権利が認められます。
死亡慰謝料には基本的に親族固有の慰謝料も含まれます。
また子どもが死亡すると、法律の定める遺族以外の祖父母や兄弟姉妹などにも、固有の慰謝料が認められる可能性があります。

子どもが死亡したときの慰謝料相場

子どもが死亡した場合の慰謝料相場は、弁護士基準でおおむね2,000~2,500万円程度とされています。

具体的な数字は個別的な事情を勘案して決定されます。

一家の大黒柱が死亡した場合など、扶養している家族がいる場合には慰謝料が高額となるケースが多いものの、子どもには扶養している人がいないため、前述したケースよりも低額となるケースが多いでしょう。

胎児が失われた場合の慰謝料

妊婦が交通事故に遭うと、お腹に強い衝撃が加わって早産や流産してしまう可能性があります。

事故の影響で胎児が失われたら、子どもの慰謝料はどうなるのでしょうか?

胎児は生まれていないので、胎児自身が慰謝料請求できません。

ただ母親は子どもを失って大きな精神的苦痛を受けるので、被害者となった母親の慰謝料が増額されます。

ケースにもよりますが、金額が数十万~数百万単位で増額される可能性もあるので、示談交渉の際にしっかり補償を請求すべきです。

慰謝料が増額される事情

子どもが交通事故に遭ったときに慰謝料が増額されるのは以下のような事情がある場合です。

  • 重傷で治療に困難が生じた
  • 生死が危ぶまれる状態が続いた
  • 麻酔なしで手術したなど、苦痛が極端に強かった
  • 何度も繰り返して手術が必要となった
  • 親の目の前で子どもが交通事故に遭い、死亡した
  • 子どもに重大な後遺障害が残った
  • 交通事故後、加害者の態度が不誠実(嘘をつく、被害者を侮辱する、罵倒するなど)
  • ひき逃げ、大幅なスピード違反、無免許運転、危険運転など悪質な事故
  • 加害者が、飲酒や薬物などで正常に運転できる状態ではないのに運転して事故を起こした

あてはまりそうな事項があるなら、すぐにでも弁護士に相談し、今後の対策を講じるべきでしょう。

子どもと大人の賠償金が異なるケース

手をつなぐ親子子どもが交通事故に遭ったときに請求できるのは慰謝料だけではありません。
慰謝料以外の項目で、子どもと大人に大きな差が生まれる賠償金の費目があります。
以下でいくつかご紹介します。

付添看護費

付添看護費は、被害者が入通院する際に親族が付き添ったときに支払われる費用です。

入院したら入院付添費、通院に付き添ったら通院付添費が払われる可能性があります。

入院付添費は弁護士基準で1日6,500円程度、通院付添費は弁護士基準で1日3,300円程度です。

 

子どもが被害者になった場合、大人のケースより通院付添費が認められやすい傾向があります。子どもは1人で通院できないケースも多いためです。

 

幼児が交通事故に遭って親が毎回病院へ付き添った場合などには、日数を控えて通院付添費をしっかり請求しましょう。

逸失利益

逸失利益とは、交通事故で後遺障害の残った被害者が将来にわたって得られなくなった収入への補償です。

後遺障害が残ると、体のさまざまな箇所が不自由になり、それまでのようにははたらけなくなるでしょう。一般的に生涯収入が低下してしまうと考えられるので、その減収分を「逸失利益」として加害者へ請求できます。

 

逸失利益は基本的に「はたらいて収入を得ていた被害者」にしか認められません。

仕事をしていない以上、「はたらけないことによる逸失利益」が発生しないからです。

ただし子どもが被害者の場合、将来就業する可能性が高いので、今仕事をしていなくても逸失利益を請求できます。

 

子どもの後遺障害逸失利益の計算方法

子どもの場合、逸失利益の計算方法も特殊です。

逸失利益を計算する際には、基本的に「事故前の収入額」を基準にします。

 

ただ子どもの場合、事故前に働いていないので実収入は基準にできません。

そういったケースでは、通常男女別、学歴別などの「平均賃金」を使って算定します。日本では男性の平均賃金が女性の平均賃金を上回るので、大人の場合には女性より男性の方が逸失利益額が上がる傾向があります。

 

ただこの方法を子どもにそのままあてはめると「同じような幼児なのに、女児の逸失利益が男児の逸失利益より大幅に低くなる」といった不都合が生じてしまいます。

そこで実務では、女児に後遺障害が残った場合「男女の平均賃金」を採用して男児との差額が小さくなるように工夫されています。

休業損害は認められない

仕事をしている大人が交通事故に遭うと、治療のために仕事を休んだ日数分の休業損害を請求できます。

子どもの場合、はたらいていないので休業損害は請求できません。

逸失利益は請求できても休業損害は請求できないので、混同しないようにしましょう

お子様の交通事故は弁護士へご相談を

面談風景不幸にも大切なお子様が交通事故に遭ってしまったら、早めに弁護士へ相談するようおすすめします。

子どもは自分で示談交渉を進められず、親権者が代わって保険会社と交渉しなければなりません。大変なプレッシャーとストレスがかかりますし、示談に振り回されるとお子様のケアにかける時間や労力が削られてしまうでしょう。

 

弁護士に示談交渉を依頼すれば、親御さんの手があくのでお子様へ十分な配慮ができて、治療にも専念できます。弁護士基準が適用されるので、賠償金が大幅にアップするのも大きなメリットとなるでしょう。後遺障害認定を受けやすくなり、過失割合も適正となります。

 

群馬の山本総合法律事務所は創立以来、交通事故被害者のサポートに注力し、ご相談件数は5000件を超えています。

事故直後から弁護士が味方となり、治療や後遺障害等級の認定、保険会社との示談交渉を行います。

お子様が交通事故に遭われて不安なお気持ちになっている方は、お早めにご相談ください。

この記事を書いた人

代表弁護士 山本哲也

代表弁護士 山本哲也

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