交通事故の後遺障害等級における「併合」「相当」「加重」とはどういうことなのでしょうか?
交通事故における後遺障害の等級認定においては、どのような症状がどの等級に当たるのか予め決められています。しかし、いくつかの障害が同時に起こっていたり、既存の等級には直接当てはまらない症状であったり、元々あった障害が交通事故によって重くなるケース等があります。そのような場合の等級認定の判断方法として「併合」「相当」「加重」があります。
まず、「併合」とは、1回の交通事故で、系列を異にする2つ以上の障害が生じたときに、最も重い症状の等級を繰り上げたり、複数の障害をまとめてその等級で評価したりするという処理です。例えば、最も重い症状が6級で、次に重い症状が10級であった場合には、重い方の症状を1つ繰り上げて、併合5級となります。
次に、「相当」とは、後遺障害等級表に挙げられていない症状が生じていたり、症状の重さが当てはまる等級がない場合に、障害の程度に応じた等級として認定することです。
そして、「加重」とは、既に障害を負っていた方が交通事故によって同じ部位を受傷して、障害の程度がさらに重くなった場合の処理です。この際、元々の障害が先天的なものか後天的なものか、交通事故によるものなのか、といった事情は問われません。そして、加重とは、交通事故によって、もとの傷害よりも高い等級に当たる後遺障害が生じたことが必要になりますので、元の障害と同じ等級のままでは加重に該当しないと考えられることになります。そして、「加重」の場合、新たに事故で生じた等級の損害から、既存の障害分の損害を除いた金額が、交通事故による損害と考えられることになります。
以上に関することについての具体的事案における判断等につきましては、交通事故による損害賠償(特に後遺症認定手続き)に精通した弁護士にご相談ください。