公務員の後遺障害逸失利益が問題になったケースで、交渉により1088万円が補償された事例

歩行者 対 車の事故。
男性が横断歩道のない場所で道路を渡っていたところ、横から進行してきた車と衝突する事故に遭われました。
男性は第12胸椎破裂骨折で1ヶ月弱入院し、退院後に当事務所にお問合せいただきました。
「今後の保険会社との交渉等を全てお願いしたい」とご要望があり、ご依頼となりました。

受任当初は、事故後間もない段階でしたので、相手保険会社との連絡窓口として対応を行いました。
治療終了段階において、後遺障害が残存する可能性が極めて高かったため、後遺障害の申請手続きを行いました。
その結果、MRI等の画像上も胸椎の破裂骨折が明らかであったため、当方の想定通り第11級7号が認定されました。

認定された等級を前提に、裁判基準（弁護士基準）で賠償額の算定を行い、加害者の保険会社に請求しました。
特に問題となったのは後遺障害逸失利益の金額についてです。今回のケースでは後遺障害11級されており、ご依頼者の年収から計算すると500万円以上が妥当であると考えられました。
ところが、加害者の保険会社は0円であると主張しており、こちらの主張が認められるよう粘り強く交渉を行いました。
最終的には保険会社がこちらの言い分を認め、後遺障害逸失利益が524万円、その他の費目を合計して1088万円という金額での示談が成立しました。

本件は、圧迫骨折で第11級7号が認定された事案でした。
示談交渉において大きく対立したのは後遺障害逸失利益という費目でした。
圧迫骨折の場合には、賠償上、後遺障害逸失利益という費目に関して、今後の労働にどの程度影響を与えるかが非常に争われます（労働に影響が生じない方も多く存在するためです。）。
特に本件においては、ご依頼者の職業が公務員であったため、相手保険会社は、公務員は身分保障が手厚いことから、後遺障害が残存したとしても、減収する可能性はなく逸失利益は0円であるとの主張を行っておりました。
この点、当方から、公務員であったとしても逸失利益を損害認定している裁判例をもとに、交渉を行い、結果的に裁判基準での支払いを確保することができました。
他の事案においても、被害者の方が公務員の場合には、相手保険会社が逸失利益を0円とする主張が多分にありますので、交通事故に精通した弁護士にご相談いただければと思います。