現在の実務上、国民年金、厚生年金等の老齢年金や障害年金は、被害者側が保険料を拠出しており、交通事故と因果関係のある損害といえることから、相手方に請求することができます。

交通事故が原因で死亡した場合、交通事故により死亡しなければ得られたであろう利益は、交通事故と因果関係のある損害といえることから、相手方に請求することができます(これを、後遺障害逸失利益といいます)。

この点、年金を受給していた親族の方が交通事故による受傷が原因で死亡した場合、保険料を生前に拠出していたにもかかわらず、将来受給する予定の年金が受給できないことになります。

それゆえ、現在の実務上、被害者側が保険料を拠出していた年金、例えば、国民年金や厚生年金等の老齢年金、障害年金については、交通事故と因果関係のある損害といえますので、相手方に請求することができます(これを、年金の逸失利益といいます)。

ただ、遺族年金等の受給者の保険料負担のない年金については、社会保障を目的としており、現に受給者が生存していることを前提としているので、相手方に請求できないものと考えられています。

年金の逸失利益の具体的な計算方法としては、現在の実務上、年金見込額から生活費を控除した金額を、平均余命まで受け取ることができるものとして計算しています。

この点、年金見込額は、年金事務所に照会したり、「ねんきん定期便」といった年金事務所から送られる書面によって確認します。

また、生活費が控除されるのは、生きていた場合には生活費が支出されることから、生活費相当額については事故とは因果関係がないものと考えられるからです。

なお、本来の受給時期よりも早く、年金を受給することになることから、早く受給したことによる中間利息を控除することになります(具体的には、中間利息の計算の簡易化のため、実務上、ライプニッツ係数という数値が用いられています)。

より詳しいことにつきましては、一度、交通事故の実務に精通した弁護士にご相談ください。