国民年金、厚生年金などの老齢年金や障害年金など、被害者が保険料を支払っており、家族のための生活保障的な性質を持つものについては、逸失利益が認められるとされています。
これに対して、遺族年金や軍人恩給の扶助料などは、受給者に受給者の保険料の負担がなく社会保障的な役割を果たしていると言えます。このような本人が保険料を払っていない年金については逸失利益が否定される傾向にあります。
ですので、被害者の方がどのような種類の年金を受け取っていたかによって結論が変わってきます。また、被害者の方が複数の種類の年金の受給資格を有していたが、支給調整などの理由で一方の年金の支給が一時停止となっている場合など、実際に受け取っていた年金の種類だけではなく、支給が停止されていた年金の種類も調べてみないと逸失利益が認められるかどうか判断出来ないこともあります。

また、年金収入が逸失利益と認められる場合は生活費控除の割合が問題となります。
年金が唯一の収入となるケースでは、年金以外にも収入がある場合と比べれば、受け取った年金が生活費に使われる割合が高いと考えられます。そのため生活費として控除される割合(生活費控除率)が通常よりも高く認定される傾向があります。