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このような場合は誰が責任者になるのでしょうか?

一言に交通事故と言っても、所有者と運転者が違う場合や、トラックやレンタカーでの事故など、事故の内容は多岐に渡ります。今回はそれぞれケース別で誰が責任者になるのかを解説いたします。

1.加害者と所有者が違う場合

運転中

交通事故の被害者は、まず、加害者である運転者に対して損害賠償を請求することができます。しかし、運転者がその自動車の所有者ではない場合、加害者である運転者だけではなく、その自動車の所有者に対しても、運行供用者責任という責任に基づいて損害賠償請求することが考えられます。

運行供用者について詳しくはこちら

自動車の所有者が運行供用者に当たるのかという点は、場合によって異なります。

 

運行供用者と認められるケース

例えば、所有者が自分の意思により他人に自動車を貸して運転させていた場合には、たとえ無償の貸し借りだったとしても、所有者が運行供用者とされる例が多いようです。

無断運転の場合には、所有者と運転者の関係や、無断持ち出しの態様から、運行供用者かどうかが判断されます。

同居の家族間の無断運転の場合には、所有者が運行供用者とされることが多いです。

 

運行供用者と認められないケース

一方、ローン付きで購入された自動車には、代金債権の保全のためにディーラーに自動車の所有権が残されている場合が多くあります。この場合、ディーラーは自動車の所有者ではありますが、自動車を支配しているとはいえないため、運行供用者責任を負わないとされています。

確かに、所有者は他人に車を貸した場合に、直接運転をしていなかったとしても、使用貸主として運行供用者と認められる場合があるので、賠償責任が発生することはあります(自賠法3条)。

ただ、ローンの場合は、その例とは意味が違います。

自動車の販売会社やローン会社は、ローンで自動車を販売した際に、ローンの支払いを担保する目的で「自動車の所有権を留保した」に過ぎず、運行支配もなければ、運行利益も生じないため、自動車販売会社もローン会社も運行供用者には当たらないことになります(自賠法3条)。

仮に自動車に事故をもたらすほどの重大な欠陥や故障があり、それが原因で引き起こされた事故であるならば、それを理由に賠償請求を起こせる可能性がないとはいえませんが、一般的には考えにくいものです。

以上のように、自動車の所有者が運行供用者責任を負うのかは、一概にはいえず、具体的な事情によって決まることになります。

 

2.積載オーバーの積み荷が損害を受けた場合

交通事故が発生すると、自動車だけでなく、トラック等に積載されている積荷に被害が生じることがよくあります。 この場合、基本的には、自動車だけでなく、その積荷に生じた被害についても加害者側に請求することができるのですが、積載オーバーの積荷の場合には、問題点があります。

交通事故が発生すると、自動車だけでなく、トラック等に積載されている積荷に被害が生じることがよくあります。

この場合、基本的には、自動車だけでなく、その積荷に生じた被害についても加害者側に請求することができるのですが、積載オーバーの積荷の場合には、次のような問題点があります。

交通事故においては、一般人が予見できないような事情から生じた損害は賠償すべき範囲から外れるとされているのですが、積載オーバーという事実は予見できないとして、積載オーバーの部分については賠償すべき範囲から外れる可能性があります。実際に、そのように判断した裁判例もあります。

この点、積載オーバーの程度がどれくらい大きいか等、様々な具体的事情を踏まえて賠償すべき範囲から外れないかが判断されると考えられますが、積載オーバーの分までの請求が認められない可能性もあります。

 

3.違法駐車が原因で交通事故が起きた場合

違法駐車車両が交通事故と関係する例は数多くあり、責任を追及することも場合によっては可能です。

例えば、違法駐車車両を避けようとして、別の車両と衝突や接触事故を起こす例があります。

この場合、その違法駐車をしていた車両の所有者又は運転者に対して損害賠償請求ができるでしょうか。

まず、違法駐車が民法(709条等)上の「過失」と評価することができれば、民法により所有者又は運転者に責任を問える可能性があります。

また、違法駐車という状態(格納していない状態)を、自賠法3条にいう「運行」と評価することができれば、同法同条により所有者又は運転者に責任を問える可能性もあります。

問題となるのは、違法駐車車両と交通事故そのものとの因果関係が認められるかです。

すなわち、交通事故の発生原因が、その違法に駐車していた車両にもあるかということが問題とされるのです。

因果関係が認められるか否かの判断は、各事故の具体的な事情により異なり得ます。

 

4.加害者の車がレンタカーだった場合

加害者の車がレンタカーだった場合、誰に損害賠償の請求をする?

加害者の車がレンタカーだった場合、加害者とレンタカー業者の両方に対して損害賠償を請求することが考えられます。また、加害者がレンタカーを使用して仕事をしている最中だった場合には、加害者が勤めている会社に対しても損害賠償請求をするというケースも考えられます。

レンタカーであっても、それを運転して交通事故を起こした加害者が、被害者に生じた損害を賠償しなければならないということについては特に問題はないと思われます。

また、通常のレンタカーの貸し借りであれば、加害者にレンタカーを貸したレンタカー業者は、『自己のために自動車を運行の用に供する者』(自動車損害賠償保障法3条)にあたり、被害者の生命・身体に関して生じた損害(人身損害)について賠償する責任を負うことになると考えられます。

さらに、加害者が仕事中であった場合には、民法第715条にもとづいて、使用者の勤務先である会社に損害賠償請求をしていくという形になるでしょう。同条は、『ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。』というように定められていますので、加害者が仕事中に事故を起こした場合については、これに当てはまると考えられるためです。

 

5.牽引中に交通事故が起きた場合

けん引中の交通事故は、交通事故の中でも珍しいケースになりますが、それぞれの責任の所在などは明確に区別する必要があります。

自動車が故障してしまったときは、修理をするための整備工場に運ぶために「けん引ロープ」を使用することがあります。

けん引ロープを使用するときには、けん引車・故障車ともハンドル操作をするために、運転手が乗り込むことになります。

この状態で交通事故を起こしてしまったときの当事者は、けん引車・故障車のいずれになるのか?で問題となることがあります。

例えば、けん引ロープの存在に気付かずに、バイクを巻き込んでしまい、故障車でバイクの運転手を引いてしまうケースがあります。

このときは、けん引車・故障車ともハンドル操作をしているので、いずれの車両も当事者となるケースになります。

これに対してJAFの車両などのような吊り上げて牽引するタイプのケースでは、故障車のハンドルは固定された状態になり、故障車に人が乗り込む必要はありませんので、けん引車が交通事故の当事者となります。

この吊り上げて牽引している状態の故障車は、トラックの積み荷と同じように考えられますので、故障車の自賠責保険や任意保険に請求するべきケースとは異なります。

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