交通事故の後遺障害認定に対する異議申立における注意点とは?
注意すべき点の一つとしては、異議申立を行う際に揃えるべき資料の点があります。そもそも誤った判定がなされてしまう原因として多いのが、検査結果や資料の不足です。そのような場合に異議申立を行う際には、どのような検査を新たに行って、どのような資料を添付すべきか、慎重に検討する必要が出てきます。
交通事故の後遺障害等級認定を申請した結果、認定されなかった、もしくはご自身が適正と考える等級よりも低い等級でしか認定を得られなかったなど、結果に納得できないときに、異議を申し立てる制度があります。
また、初回の申請では認定結果が出るまでの期間は1~2か月程度のことが多いですが、異議申立の場合にはそれよりも時間がかかることが多いようです。時には3か月以上かかる場合もあります。
そして、時効についての注意点もあります。この点、法律で、加害者に対する損害賠償請求権が症状固定から3年で時効消滅することが規定されているのですが、消滅時効との関係では、時効の中断という制度があります。これは、裁判上の請求などの一定の事由によって、進行している時効期間がゼロに戻るというものです。
そして、認定結果に対する異議申立が時効の中断事由になるのかという問題があるのですが、実務では、中断事由にならないと扱われているのです。したがって、認定結果の異議申立をしても、時効の完成を防ぐことはできないのです。