交通事故によって大けがをしてしまい、顔や体の一部に傷跡を残してしまうケースも見られます。

このような交通事故の被害者の傷跡が残ってしまう場合、被害者本人は、そのような後遺障害が生じたことによる精神的苦痛に対して、慰謝料を請求することができます。

一方、そのような傷跡が自分の子に残った場合には、親も心を痛めてしまうことになります。この点、子が死亡した場合には、その父母が自分自身の精神的苦痛に対して慰謝料請求権を持つことが規定されていますが(民法711条)、子の顔や身体に傷跡が残った場合には親自身の慰謝料を請求することができるかが問題となります。

これについては、「子の死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を受けた」として、被害者の親に慰謝料を認めた判例があります。つまり、子が亡くなった場合と比較できるくらいの精神的苦痛を受けた場合は、親が自分自身の慰謝料請求権を持つことになるのです。

したがって、子の顔や身体に傷が残れば必ず親の慰謝料請求が発生するわけではなく、非常に重大な傷跡が残ってしまった場合には慰謝料請求が可能になるのです。そして、傷跡の場所、大きさ、程度などから、慰謝料請求できるかが判断されることになります。

また、被害者の父母以外でも、被害者の配偶者や子、それと同視できるような関係にある近親者にも、自分自身の慰謝料を請求することができる場合があります。

そして、近親者の慰謝料については、被害者本人の慰謝料よりも少なくなるのが通例です。一概には言えませんが、被害者本人が受け取る慰謝料の2割から3割程度が目安とされています。