交通事故によって被害者に後遺障害が生じた場合、後遺障害の等級の認定を申請すると、自賠責損害調査事務所という機関が等級認定を行うことになります。そこで認定された後遺障害の等級や内容に応じて、自賠責保険会社から保険金が支払われることになり、また加害者や加害者が加入する任意保険会社に請求できる金額も変わってきます。

ご質問のケースのように複数の後遺障害が存在する場合、自賠責の制度上、全体を総合してある1個の等級として処理することになります。このような、複数の後遺障害を1個の等級として処理する時の扱いを、「併合」といいます。

そして、自賠法施行令によって、併合のルールについて、次のように定められています。

・5級以上の後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を3つ繰り上げる。
・8級以上の後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を2つ繰り上げる。
・13級以上の後遺障害が2つ以上ある場合、最も重い等級を1つ繰り上げる。
・14級の後遺障害が2つ以上ある場合、14級のままになる。

これによれば、例えば、7級と8級の後遺障害がある場合、重い方の等級である7級が2段階繰り上がり、併合5級となります。そして、5級に応じた補償を受けられることになります。

もっとも、先程述べた併合のルールには、いくつかの例外があります。

例えば、後遺障害に該当するある傷病が原因となって、別の後遺障害に該当する症状が生じた場合、後者の後遺障害は前者の後遺障害に吸収されて、併合が起きないことになります。具体的には、交通事故で骨折したことで上肢に偽関節ができて、同時にそれが原因で上肢の関節に頑固な神経症状が生じているケースでは、上肢の偽関節が後遺障害等級8級、頑固な神経症状が後遺障害等級12級に当たることがあります。しかし、この場合、神経症状は偽関節が原因で生じたものと考えられるため、2つの後遺障害を別々に認定することはないので併合には該当せず、8級の後遺障害だけが認定されます。

このような例外の存在など、後遺障害の認定に関しては専門的な問題がありますので、詳細な点については弁護士にご相談下さい。