A. 被害者が死亡した場合に固有の慰謝料を請求することができる主体については、民法711条に揚げられている「被害者の父母、拝具者及び子」に限られるわけではなく、被害者との間に同条所定の者と実質的に同視することができる身分関係が存在すれば、その者も同条の規定の類推適用により固有の慰謝料を請求することができると解されています。

そして、内縁の配偶者にも同条の類推適用により慰謝料請求を認めるのが時代の趨勢です。

  内縁関係とは、夫婦としての実質は完全に備わっており、ただ、婚姻の届けだけが欠けているというような状態のものです。
  
  社会的には、内縁関係においても、法律上の夫婦に準じた保護がされるようになってきています。

  交通事故における裁判例でも、内縁の夫が交通事故により死亡した場合、内縁の妻に慰謝料を認めています。

  ただし、単なる浮気のような場合や、いわゆる妾の関係の場合には、被害者との間に同条所定の者と実質的に同視することができる身分関係が存在しないため、このような法的保護は及びません。