過失相殺とはどのような制度ですか?
民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と、被害者の過失を加害者の過失と相殺すること(過失相殺)を規定しています。
民法722条2項は、「被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。」と、被害者の過失を加害者の過失と相殺すること(過失相殺)を規定しています。
なぜ民法で過失相殺という制度が認められているのかについては、一般的に、その意義は、衡平の理念、信義則上、自己の故意または過失に基づく損害を他人に転嫁すべきではないという点にあると理解されています。
自分に生じる損害を回避したり、減少させたりするための行動が被害者に期待できるときに、そうした行動をとらなかったことによる不利益を被害者に負担させる制度、それが過失相殺制度なのです。
交通事故の場合、事故類型ごとに過失相殺率の目安が、裁判例の積み重ねにより形成されています。
そのため、原則として、各事故の類型に応じて、その目安により過失相殺率が算定されることになります。
もっとも、交通事故は各事故ごとに固有の事情がありますから、必ずしもその目安に縛られるものではなく、固有の事情が斟酌されて、目安とは異なった過失相殺率が算定されることもあります。