交通事故の被害にあった場合、事故の相手方(加害者)に対して慰謝料を請求することができます。慰謝料については、死亡慰謝料、傷害慰謝料、後遺障害慰謝料がありますが、いずれについても、過去の実務や裁判の積み重ねなどを踏まえて、慰謝料の額の算定についての基準が存在します。したがって、通常の場合は、この基準に従って、慰謝料の額を算定することになります。

しかし、一定の場合については、この基準を上回る額の慰謝料が認められる場合があります。例えば、飲酒運転や無免許運転、赤信号無視など事故態様が悪質な場合(加害者に故意や重過失がある場合)、ひき逃げや証拠隠滅など加害者の事故後の行動が極めて悪質な場合です。

これらの事情がある場合には、通常の場合に用いられる基準を上回る額の慰謝料が認められる可能性がありますが、これらの事情があるからといって直ちに基準を上回る額の慰謝料が認められるわけではなく、その他の事情を考慮して、慰謝料を増額するかどうかが判断されることになります。

このように、ひき逃げ事故であることは、慰謝料の額を決めるにあたり考慮され、ひき逃げ事故であることによって当然に慰謝料の額が増額されることになるわけではありませんが、通常の場合に用いられる基準を上回る額の慰謝料が認められる可能性はあります。