A 被害者が交通事故によって負傷した場合、その負傷した身体を治すために支出した治療費(医薬品代、手術代、診察代など)や入院費は、必要かつ相当な範囲で実費全額が損害として認められます。

  この点、ポイントになるのは、「必要かつ相当な範囲」の治療にあたるか、ということです。

  何故なら、必要性、相当性のない場合には、過剰診療、高額診療として、損害として認められないことがあるからです。

  過剰診療とは、診療行為の医学的必要性ないしは合理性が否定されるものをいいます。

  具体的には、治療上の必要性が認められないのに、複数の医療機関で治療を受ける、あるいは、医師の裁量を超え明らかに不必要だと判断される医療行為が行われているなど、必要以上の治療行為が行われている場合をいいます。

  高額診療とは、診療行為に対する報酬額が、特段の事由がないにも拘わらず、社会一般の診療費水準に比して著しく高額な場合をいいます。

  高額診療にあたるかについての判断は、単純に健康保険水準よりも高額であるということをもって、賠償を否定することは不相当ですが、どの程度まで許容するかは、その地域の医療事情、高額な請求をする具体的な理由の存否などで変わってくるでしょう。