労災保険法で規定されている保険給付は、原則として損害額から控除されますが、休業特別支給金等の「特別支給金」については損害額から控除されません。

労災保険とは、労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく制度で、業務上災害又は通勤災害により、労働者が負傷した場合や疾病にかかった場合、障害が残った場合、死亡した場合等において、被災した労働者又はその遺族に対し法律上定められた給付を行う制度のことをいいます。

この点、通勤中に交通事故の被害に遭った場合には、労災保険給付を受けることができ、例えば、通勤中の交通事故により、業務上の負傷又は疾病による療養のため労働することができないために賃金を受けられない日が4日以上続いた場合には、休業給付を受けることができます。具体的な手続きとしては、事業主及び診療担当医師の証明を受けて、被災労働者の所属する事業場の所轄労働基準監督署長に提出することが必要になります。

ただ、労災保険法で規定されている保険給付は、原則として、相手方に請求できる損害額から控除されます。これは、労災保険法により、保険者である国が、相手方に対する損害賠償請求権を取得することになっているため、仮に、損害額から労災給付分が控除されないとした場合には、相手方が被害者及び国に対して重複して支払うことになるためです。

なお、休業特別支給金(休業給付に加算される金員)等の「特別支給金」については、前述した休業給付の場合と異なり、保険者である国が被害者の代わりに損害賠償請求権を取得するといった規定がないため、損害額から控除されないものと考えられています。

より詳しいことにつきましては、一度、交通事故の実務に精通した弁護士にご相談ください。