交通事故の被害者が、怪我の治療のために入院することになると、治療費以外にも多くの出費をすることになります。例えば、病院で使用する歯ブラシやタオルのような日用品、その他の生活雑貨、新聞、書籍を購入することがありますし、栄養補給費(栄養剤、牛乳など)、通信費、家族通院交通費等がかかることもあります。

これらの費用のことを入院雑費と言います。このような入院雑費については、一定の範囲で加害者側に請求することが可能です。

そこで、請求できる範囲が問題となりますが、先程述べましたように、入院雑費に含まれる費用は様々ですので、実費がどれだけかかったのかを具体的に領収書等から認定したりするのでは、手続が非常に煩雑になってしまいます。
そのため、実務では、入院雑費が定額化されており、基本的には、一律に決まった額のみを請求できるという扱いがされています。

具体的には、裁判になった場合の基準で言うと、請求できる金額は、一日辺り1500円前後とされています。一方、自賠責保険の基準では、1100円が基準とされています。

もっとも、このように決まった額の入院雑費のみを認めるという扱いはあくまで原則ですので、それを上回る出費が合理的に見て必要であったと言えるような事情を証明することで、請求が認められる場合もあります。

例えば、自宅から遠い病院に入院したために、家族との連絡のために通常よりも通信費が多くかかったと言えるような場合等に、基準を上回る出費についても、合理的に必要な範囲で、請求が認められる可能性があります。