自動車やバイクの運転免許は未成年者でも取得することができますので、未成年者が交通事故の加害者になるということもあります。そのような場合、全ての場合ではありませんが、親に対しても損害賠償請求できる場合があります。

まず、民法709条に基づいて、親が子を監督するという義務に違反したとして、親に対して損害賠償請求する方法があります。未成年者が責任無能力者である場合には民法714条に基づいて親の責任を追及することが可能ですが、自転車やバイクを運転できる年齢であれば責任無能力者とは考えにくいですので、民法714条ではなく民法709条の責任が問題になります。

この場合、親の責任が成立する場合は、裁判例上かなり厳格に限定されていますので、親の責任を追及するのは難しい場合も多いです。しかし、未成年の子が何度も交通違反を行っているのに親が適切な指導等をしなかったような場合には、親に民法709条の責任が成立することがあります。

また、自賠法3条に基づいて、親の運行供用者責任という責任を追及することも考えられます。この責任は、物損には適用がなく、人損の場合にだけ成立し得るものです。
この責任を負うのは「運行供用者」ですが、加害者の親が運行供用者に当たる場合があります。

例えば、自動車の所有者は基本的に運行供用者に当たりますので、子が事故時に乗っていたのが親の自動車であれば、親は運行供用者に当たります。一方、その自動車が子の所有でも親の所有でもなく、第三者から借りたものだった場合、親は運行供用者に当たらないとされることが多いようです。また、子がその自動車を所有していた場合には、扶養関係や、親がその自動車の購入費や維持費を負担していたか等、様々な事情から、親が運行供用者に当たるのかが判断されます。

そして、親が運行供用者に当たれば、親の側で免責事由を証明できない限り、親に対して損害賠償請求できることになります。

以上のように、様々な事情から、未成年の加害者の親に対しても損害賠償請求できるのかが決まることになります。