後遺障害等級が認定された場合は、PTSDによる損害賠償を請求できる可能性があります。

交通事故によって受傷した被害者には、これ以上治療しても回復しない症状が残る場合があり、それが後遺障害と呼ばれます。

そして、後遺障害が残っていることが認められた場合、その症状に応じて、痛みという被害や、得られたはずの収入が得られなくなるという損害などが生じると考えられるので、後遺障害がない場合に比較して損害項目が増え、その分の損害を加害者に請求できることになります。具体的には、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益等の損害が加わることになります。

交通事故においては、自賠責損害調査事務所という機関が、申請を受けて後遺障害について調査して、症状に応じて等級を認定するという事務を行っています。基本的にはその等級に応じて、後遺障害慰謝料の額や、後遺障害逸失利益を算定する際の労働能力喪失率等が決まることになります。

そして、交通事故に遭った方は、その時の恐怖体験のために、その時の体験を繰り返し思い出す、過覚醒と呼ばれる交感神経系の亢進状態が起こる、恐怖体験を思い出すのを避けるような行動を取る等の、PTSDの症状が現れる場合があります。そのような症状がPTSDと認められることによって、先ほど述べた後遺障害逸失利益や後遺障害慰謝料という損害が認められることもあります。後遺障害等級でいうと、9級、12級又は14級に該当する可能性があり、その等級に応じてこれらの損害の金額が異なってきます。

したがって、PTSDに罹患することによって日常生活や仕事に支障が出ている場合、それに基づく損害を請求できる場合があるといえます。

もっとも、交通事故の後遺障害等級認定の上でPTSDといえるかは、かなり厳格に判断されますし、医師からPTSDの診断を受ければ後遺障害等級認定の上でもPTSDとされるとは限りません。このように非常に専門的な問題ですので、交通事故によってPTSDになった疑いがある場合には、損害賠償について、交通事故による後遺症の認定実務に精通した弁護士とよくご相談されるのがよろしいでしょう。