交通事故によりPTSDになった場合、症状の程度によっては後遺障害としてこれについての損害賠償を求めることができます。

PTSDとは、Post Traumatic Stress Disorderの頭文字で、日本語の名称は「心的外傷後ストレス障害」です。生死に関わる体験や非常に強い恐怖がストレス源となり、心身に不調が出て社会生活に影響を及ぼすもので、非器質性精神障害(脳組織に器質的異常が確認できないものの異常な精神状態が発生している状態)の一種です。

PTSDが交通事故による後遺障害と認定されるためには、PTSDが非器質性精神障害であることにより、いくつかの問題点があります。

まず、脳組織に器質的異常が確認できないということはCTやMRIを撮っても画像上異常が発見されないということですから、PTSDになったことをどのようにして判定するのかという問題があります。これについては、「DSM-IV」や「ICD-10」という診断基準があり、これを参考にしながら検討することになります。
同様に、PTSDになったとして、残存する症状の程度をどのようにして判定するのかという問題もあります。
 また、現在の症状がPTSDであると判断される場合での、それが交通事故を原因とするものなのか(交通事故との因果関係)という問題もあります。

 実際の裁判においては上記の点について争いになることが多く、他の後遺障害と比べても、後遺障害による損害賠償を求めるにあたって問題になる点が多く、被害者の請求が認められるために越えなければならないハードルはかなり高いと言えます。