複数の自動車が加害者となっている交通事故の場合、被害者は、基本的に加害者全員に対して損害賠償を請求することもできますし、そのうち1人に対して損賠賠償を請求することもできます。

例えば、自動車の通りが多い場所で1台の加害車両による衝突を受けた後、さらにもう1台の加害車両による衝突を受ける場合等、加害者が複数の交通事故もあります。このように、複数の加害者が共同して1つの被害を出す場合を、共同不法行為といいます。

共同不法行為の場合、加害者は被害者に対して連帯して責任を負います。つまり、被害者との関係では、全員が損害全部について賠償責任を負うことになります。

したがって、被害者は、加害者全員に損害額全ての賠償を請求することができますし、加害者のうちの一部に対して損害額全ての賠償を請求することもできるのです(複数の加害者の間では、各自の負担する割合を区別することが可能ですが、負担部分を超えて賠償したときには被害者間の求償で処理され、被害者はあくまで全額の請求が可能です)。

なお、共同不法行為責任の成立要件は、複数の加害者の行為が客観的に見て一体となって損害を生じさせたこととされています。

この点、同じ時に同じ場所で2つの車両に衝突を受けたような場合であれば共同不法行為が成立すると考えられます。一方、被害者の怪我の部位は1か所でも、2台の加害車両の衝突の時間や場所が離れていくと、共同不法行為の成立が難しくなると考えられます。

また、共同不法行為の交通事故については、自賠責の制度上も、加害者が1名の場合とは異なる扱いがあります。

つまり、自賠責の制度上、人身事故による損害について、法定の限度額の範囲で自賠責保険会社からの補償を受けられるのですが、共同不法行為の交通事故の場合には、その限度額が加害者の数に応じて増えることになります。例えば、加害者が2名なら、傷害部分の限度額120万円が、2倍の240万円に増えることになります。もっとも、これは自賠責保険会社に請求できる枠が増えるということであって、実際に補償される損害額が2倍になるというわけではありません。

詳細については弁護士にご相談下さい。