ご質問のように、交通事故によって、建物や塀などが損傷するというケースがあります。

このような場合、通常はその建物や塀などを修理することになります。その修理代は、相当といえる範囲で加害者に請求することができます。

もっとも、建物や塀などが大破したために、修理することができず、新しく作り直すことが必要になる場合も考えられます。このような場合、相当といえる範囲で新しく立て直すための費用を、加害者に請求することができます。

この点、修理が物理的に不可能ではないものの、修理代が高額になってしまい、新しく作り直した方が費用が安い、という場合も考えられます。そのような場合も、修理ができない場合と同じ扱いになり、建物や塀を新しく作り直す費用だけが加害者に請求できることになります。つまり、修理代と新しく作り直す費用のうち、より安い方を請求できるということになります。

また、建物や塀などの修理をする場合、修理のために、耐用年数が延びる等、事故前よりも経済的な価値が増えることがあり得ます。そのような場合、価値が増えた分まで加害者に請求することができるのかという問題が生じます。

この問題については、建物や塀の価値が増えたと認められる分については、加害者に請求することができないと考えられています。つまり、修理費用のうち、原状回復に必要な分については、加害者に対して当然請求することができますが、それを超えて事故前よりも価値が増えた分については加害者に負担させることはできないと考えられています。

具体的には、被害に遭った建物や塀などの事故当時の価値を、減価償却によって算定し、修理後の建物や塀の経済的価値との差額を算出します。そして、その差額を修理代から差し引いた金額が、加害者に請求できる金額になります。

他にも、例えば自宅が大破して居住できなくなり別の場所で長期間不自由な生活をしたとか、一部が壊れた状態の自宅に一定期間居住することを強いられたなどの事情で、大きな苦痛を被ったような特殊なケースでは、慰謝料が認められることがあります。