Q.事業所得者の休業損害について教えてください。

A

1 事業所得者とは

 商・工業、農林水産業、サービス業、その他いわゆる自由業(開業医、弁護士、著述業、プロスポーツ選手、芸能人、ホステスなど報酬・料金等によって生計を営む者)などに従事する者で、個人名で事業を営んでいる者をいいます。

 

2 計算方法

 事故前の収入(基礎収入)の日額×事故発生日から症状固定日前の休業日数

 

3 基礎収入

 基礎収入額は、通常、事故前年の確定申告所得額によって認定します。なお、青色申告控除がなされている場合は、同控除額を引く前の金額を基礎とします。

  確定申告を上回る収入(所得)があったとする主張自体が否定されるわけではなく、現実の収入状況が立証されればその金額に応じた損害算定が行われます。しかし、裁判例の傾向は、かなりの確実性がある立証を求める傾向にあるので、確定申告額に基づかない主張が採用されるのは容易ではありません。

 なお、収入が申告額より多いという主張とともに経費の水増し・家事費用のつけ込み(支出部分は申告書の記載額より小さいので所得は申告内容より大きくなる)が主張されることもありますが、これも同様に考えられます。その場合でも経営の状況、家族生活状況などから、賃金センサスなどを参考に、申告額を上回る基礎収入額を認定する例もあります。申告額の収入では生活を維持するのが困難と思われるような事例では、このような取扱いをする例が多いです。

 また、確定申告を全くしていない場合であっても、直ちに無収入と推定して休業損害が否定されるわけではありません。相当の収入があったと認められるときは、賃金センサスの平均賃金額などを参考に適宜基礎収入額を認定することがあります。

  より詳しいことにつきましては、交通事故の実務に精通した弁護士にご相談ください。