case94 頭部外傷を負った60代男性に後遺障害1級が認定され、約１億円を獲得した事例

　高崎市在住の６０代（自営業）の男性が、自転車で道路を横断していたところ、加害車両の左折に巻き込まれ、頭蓋骨骨折等の重症を負う事故に遭われました。
　事故から3日後、ご家族から「今後のことについて相談したい」と当事務所に問い合わせがありました。
　ご本人は入院中だったため、ご家族にご相談に来所していただき、正式にご依頼いただく事となりました。

　事故直後、被害者の方は寝たきりの状態でした。
　懸命な治療の結果、徐々に状態が回復していき、将来的には家族の介護がある程度は必要ない状態に回復する可能性もありました。
　このようなケースの場合、後遺障害を認定する機関としては判断が分かれうる可能性があります。問題となるのは次の２点です。

　被害者の方が最大限の補償を受けるためにも、なるべく高い等級認定を受ける事が重要と考えました。（等級が高いほど、賠償金の総額が増額します。）

　そのためには、後遺障害の等級申請で、被害者の方がどの程度介護が必要な状態であるかを証明する必要があります。その点を説明・証明するため、なるべく多くの資料を集めると共に、内容を整理する事を重点的に行いました。

　当事務所で後遺障害申請手続を行った結果、常時介護が必要な状態であると判断されて、自賠責保険の等級認定において一番重い等級である後遺障害等級別表第１第１級１号が認定されました。

　当事務所の弁護士が何度か交渉を重ねた結果、通常の費目に加え、次の費目を獲得することができました。

• ①将来介護費として約4000万円
• ②将来の付添人交通費として約100万円
• ③近親者固有の慰謝料として合計400万円

　今回のケースでは、交通事故で重症を負われてしまったものの、幸いにもある程度の回復の可能性が見込まれる状態でした。
　しかし、あくまでも事故直後の状態と比べればの話であり、今後、被害者の方やそのご家族はこれから後遺症と向き合っていかなければなりません。