ライプニッツ係数とは、将来得られるはずの金銭を前倒しして現在において一括で支払いを受ける際に、中間利息という過分な利益を控除するために使う指数です。そして、交通事故においては、逸失利益という項目の損害を算定するときに、使用されることになります。

交通事故では、例えば被害者の方が事故によって亡くなったり、あるいは後遺障害が残ることで、将来得られたはずの収入を失う場合があります。このような場合、事故がなければ得られたであろう利益を損害として請求することができ、このような損害を逸失利益と言います。

この点、逸失利益を請求する場合、本来であれば、例えば数年あるいは数十年にわたり得るはずだった利益を、現時点において一括して支払うように請求することになります。そのため、将来得られたはずの金額が現時点においてそのまま支払われるとすれば、被害者側は、前倒しで支払われた金額から生じる利息の分だけ、本来よりも得をすることになります。例えば、5年後に受け取る予定だったお金を今もらうとすれば、5年分の利息を控除しないと、被害者側が本来よりも得をすることになってしまうと考えられるのです。
ですので、そのような利息に当たる分(中間利息)を控除する必要があります。つまり、中間利息の控除とは、お金を預けて利息を受け取る場合と逆の考え方と言えます。

このような中間利息の控除を、簡単な計算で行うことができるようにするための数字が、ライプニッツ係数です。

例えば、毎年100万円の利益を10年間得るはずだった方が、現在一括で逸失利益の賠償を受けるとすれば、請求できる金額は、
100万円×10年間用のライプニッツ係数(7.722)=772万円
となります。このように、ライプニッツ係数によれば、簡単な計算で中間利息の控除をすることができるようになるのです。