未成年者が他人に損害を与えた場合、その未成年者に責任能力が認められなければ、その親が損害を賠償する責任を負うのが原則です。ただし、親は自らが監督義務を怠らなかったことや仮に監督義務を怠らなかったとしても損害が生ずべきであったことを証明できれば親は責任を免れます。

これに対して、未成年者に責任能力が認められれば、親に具体的な監督義務違反が認められない限り、親は損害を賠償する責任を負うことは有りません。

このように、未成年者が他人に損害を与えた場合、未成年者の親が損害を賠償する責任を負うかについては、まず、その未成年者に責任能力が認められるかが重要です。
 この責任能力とは、簡単に言えば、自分の行為の責任を理解する能力のことです。そして、過去の裁判例では、概ね12歳前後を基準に責任能力の有無が判断されているようです。
 したがって、今回の場合、加害者は17歳の高校生ですから、加害者に責任能力が認められる可能性が高いですから、そうであれば、親に具体的な監督義務違反が認められない限り、親が損害を賠償する責任を負うことはないということになります。

 それでは、親に具体的な監督義務違反が認められるのはどのような場合なのでしょうか?
 一般的には、親が子供の運転する自動車に同乗して、スピード違反や信号無視など危険な運転をしていることを現実に認識していながら、これを制止しなかった場合や、過去に飲酒運転などの交通事故発生の可能性の高い前科・前歴・補導歴があるのに、子供が運転するのを制止するなどの配慮に欠けた場合、子供が高熱や過労など運転するのに適切でない健康状態にあることを知りながら子供が運転するのを制止しなかった場合などには、親に具体的な監督義務違反が肯定されやすいとされています。

 なお、親が運行供用者として自動車損害賠償保障法3条の責任を負う場合には、親は損害を賠償する責任を負うことになりますが、これは親の子供に対する監督義務違反があったかどうかとは別の問題です。