物損についての示談は、あくまでも物損についてのものです。したがって、物損の示談において合意した過失割合とは異なる過失割合を人損について主張すること自体には法的な意味において問題はありません。
 したがって、今回のケースのような主張を保険会社が行うことが許されないわけではありません。
 
 この点、裁判においては、裁判官が事故の具体的状況に基づいて当事者の過失割合を決めることになります。したがって、例えば、物損について100対0で示談したという事実を、人損の裁判の中で主張したとしても、裁判所が、物損について当事者が合意した過失割合に従わなければならないというわけではありません。ただし、物損について100対0で示談したということは、事故の発生について被害者に過失がないということを加害者が認めたということになりますから、過失割合の判断をするにあたり裁判所が事情の一つとして考慮することは考えられます。

 今回のケースのように、過失割合についての保険会社の対応や主張に納得がいかないという場合には、一度弁護士にご相談されるのが良いかと思います。