加害者に対する損害賠償請求権は、加害者が死亡した場合、当然に消滅してしまうわけではありません。加害者に相続人がいれば、その相続人に対して請求が可能です。ただし、相続人が相続放棄をすることも考えられ、相続人となる資格を有する者が順々に相続を放棄していった結果、相続人がいなくなってしまったという場合には、相続人に対する請求は出来ないということになります。そこで、加害者が死亡したという場合には、法定相続人となる者がいるのか、いるとすれば誰か、相続放棄がされていないか、などについて調査確認する必要があります。

一方で、死亡した加害者が任意保険に加入していた場合には、任意保険会社に対して直接請求を行うということも考えられます。というのも、任意保険は加害者と任意保険会社との間の契約に基づくものですが、その中には通常、一定の要件の下で被害者が保険会社に対して損害賠償額を直接請求できるという規定が置かれています。したがって、この規定により、被害者が任意保険会社に対して直接請求を行うということが考えられます。もっとも、直接請求がどのような場合にできるか、どの範囲で可能かについては、加害者が加入していた任意保険がどのようなものかを確認してみる必要があります。

また、自賠責保険や自賠責共済といった強制保険については、法律で、被害者が保険会社に対して損害賠償額を直接請求することが認められています。ただし、支払額については自賠責保険等の支払基準によることになります。