A 交通事故によって、被害者が被る損害には、財産的損害のほかに精神的損害が考えられます。

  精神的損害、つまり被害者が事故によって精神的苦痛を受けたことによる損害の賠償が慰謝料です。

  民法710条は、「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。」と規定し、何らかの財産以外の損害があれば、その賠償がなされなければならないことを明らかにしています。

  そして、名誉毀損の場合(民法723条)を除いて、金銭をもって非財産的損害に対する賠償をなす(民法722条・415条)ことが原則とされています。

  もっとも、「財産以外の損害」の算定方法について、民法はなんらの規定をおいていません。

  そこで、実務においては、慰謝料の額につき、今までの裁判例の積み重ねから、ある程度幅のある基準が形成されており、その基準を参照して、金額が決められています。

  慰謝料には、①死亡慰謝料、②傷害慰謝料、③後遺障害慰謝料があります。
 
  次回から、①~③について、検討していきます。