Q.誰が損害賠償を請求する権利を持つのですか?

A.被害者が生存しているなら、当然、被害者本人が加害者に対して、損害賠償を請求する権利を持ちます。(民法709条等)。被害者が死亡した場合には、当然、被害者本人は損害賠償請求できません。

その場合、損害賠償を請求できる権利を持つのは、遺族すなわち相続人となります。
相続では、家や有価証券などの財産を引き継ぎますが、それと同時に「一切の権利義務を承継」します(民法896条)。

そのため、「損害賠償請求権」も、相続人は承継することになります。
交通事故であっても、被相続人が死亡した場合には、民法代886条以下にある規定によって、相続人は被相続人のすべての財産を引き継ぐのです。

配偶者は常に相続人となり、子供も第1順位の相続人となります(民法887条1項及び890条)。
それらがいない場合には、被相続人の親や兄弟が相続人となり、それらもいない場合には、さらに遠い親戚筋まで相続の範囲が広まります(民法887条及び889条)。

それぞれの相続人は、それぞれの立場で自身の定められた相続分の範囲で賠償請求ができます。
また、相続人には遺産を承継する権利がありますが、それを放棄することもできます(民法915条1項)。

そして、相続するのはプラスの財産だけでなく、借金などマイナスの財産も相続します。
損害賠償請求権があっても、被相続人の借金の額が高額で総額ではマイナスとなる場合には、相続を放棄することで、損害賠償の相続分はなくなりますが、同時に負債の相続をしなくてもよくなるのです.(民法939条)。