解決のポイント

 示談交渉の中では、休業損害が認められるかが主な問題となりました。

 

 休業損害が認められるのは、基本的には、①交通事故にあう前に実際に収入があった人が、交通事故にあって仕事を休まざるを得なくなり、それにより収入が減った場合か、②他人のために家事を行っていた人が、交通事故にあって家事を行うことが出来なくなった場合、のどちらかです(ただし、①については、有給を使って休んだ場合など、収入が減っていなくても休業損害が認められることもあります)。
 ①や②の場合にあたらなくても(例えば、事故当時に無職であった場合など)、休業損害が認められることはありますが、一般的には難しい場合が多く、裁判をする前の示談交渉の段階で加害者側の保険会社がこれを認めることは少ないです。

 

 そのため、①や②の場合以外で休業損害を認めさせるには裁判を起こす必要があることがほとんどですし、実際に裁判を起こしてみても裁判所に休業損害を認めてもらえない場合がかなり多いのではないかと思います。

 

 この事例では、依頼者の方は、①にも②にも当てはまりませんでしたが、親族の経営する会社の仕事を無報酬で行っていたことや近くに住む子供の家の家事を手伝っていたことなどを丁寧に加害者側の保険会社に説明し、休業損害を認めるよう交渉を続けました。その結果、依頼時には全く認められていなかった休業損害について、300万円を超える提案を加害者側の保険会社から引き出すことが出来ました。慰謝料などその他の損害項目についても、裁判をした場合の基準での金額の提案を加害者側の保険会社から引き出すことができ、依頼時の2倍近い金額まで増額することが出来ましたので、依頼者の方と相談のうえ、示談による解決となりました。

 

ご依頼者

  前橋市・70代・女性・無職

 

事故状況

 歩行者vs自動車の事故。
 ご依頼者は、信号のない横断歩道を横断中、右方から来た加害自動車に当てられ、負傷しました。

 

 

傷病名  

 左足リスフラン関節開放性脱臼骨折
 左第3,4,5中足骨骨折
 左拇趾基節骨骨折
 鼻骨骨折

 

 

入通院の状況

 全治療期間956日間、入院237日、通院実日数33日

 

 

後遺障害の認定

 併合8級
  10級11号(1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの)
  9級15号(1足の足指の全部の用を廃したもの)

 

 

ご依頼

 相手方保険会社から示談の提案を受領後、当事務所へご相談に来られました。

 

 

ご依頼時の保険会社提示額

  約金1067万円

 

 

解決金額

  約2115万円

 

 

増加額

費目 ご依頼時の
提案額
解決額 増加額
治療費 1,086,427 1,086,427
入院付添費   325,000 325,000
入院雑費 260,700 355,500 94,800
通院交通費 7,080 7,080
その他 44,907 44,907
休業損害   3,177,926 3,177,926
傷害慰謝料 2,309,061 3,060,000 750,939
後遺障害逸失利益 3,240,000 6,018,144 2,778,144
後遺障害慰謝料 4,950,000 8,300,000 3,350,000
小計 11,898,175 22,374,984 10,476,809
既払い額 1,218,234 1,218,234
合計 10,679,941 21,156,750 10,476,809